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営業部のブログ 2011.05.16

飲食求人紹介人 ~牛丼戦争~

グラサンです[:ニヒル:]
たかが5グラム、されど5グラム:吉野家の戦略を読み解く
チキンレースの如く、すき家・吉野家・松屋の大手3社が一歩も引かぬ「牛丼値下げ戦争」。
しかし、その三すくみの均衡をついに吉野家が崩しにかかった。
「肉増量」「質で勝負」宣言である。その狙いを考察してみよう。
5月16日付日経MJに「吉野家肉増量 固定客拡大狙う “次世代牛丼”に位置付け」という記事が掲載された。
記事を読み進めると牛丼並盛りの「肉は従来の85グラムから90グラムに増量する一方、コメは260グラムから250グラムへと減らす」という仕様変更であり、その背景としては「消費者の嗜好の変化などに対応するのが狙い」だとある。
何が「次世代」なのかといえば、「具材の分量を見直すのは戦後で初めて」だとあり、かなり戦略的な仕様変更であることがわかる。
「次世代牛丼」に対して吉野家ホールディングスの安部修二社長も「昨年は値段で客数を回復したが、今期は品質で勝負したい」(asahi.com・5月13日掲載)と抱負を語っている。
しかし、ネット上の反響を見てみると、「増量といっても、たった5グラムか!誤差範囲ではないのか?」「今までの肉量が少なすぎだったのでは?」というように、決して好意的な反響だけでないこともわかる。
「今までが少ない」という意見は、散見される「提供される商品が見本写真と違う」という意見が論拠のようだ。
仄聞するところによると、盛りつけは「±10gが許容範囲」というオペレーションもあったようなので、「5グラムは誤差範囲」という指摘もあながち間違いではないかもしれない。
そして、総じて「それが次世代か?!」という論調となっている。
確かに消費者にとっては「たかが5グラム」かもしれない。
しかし、吉野家としては「されど5グラム」なのではないだろうか。
日経MJの記事には「昨年12月に品質向上への取り組みを開始。
具材や調理工程など108項目を修正した」とある。
「牛丼」という商品(Product)を提供するためには、価格(Price)、店舗(Place)、プロモーション(Promotion)という、いわゆるマーケティングの4Pに加えてさらに2つのPが欠かせない。
業務プロセス(Process)と要員(Personnel)だ。
今回、「次世代牛丼」を提供するために「108項目を修正した」とあるのは、まさに業務プロセスであり、それを要員に徹底することが「品質向上への取り組み」である。
オペレーションのバラツキをなくし、カッチリ90グラムを徹底する。
つまり、「次世代」は消費者に向けた発信だけでなく、各店舗、末端の要員全員に向けて徹底を図るための宣言ではないかと考えられる。
そうして考えると、安部社長の「品質で勝負」にもある種の「覚悟」が感じられる。
グラサン[:ニヒル:]